連載 看護部長のバーチャルコーポレーションで患者の安全を守る――赤十字医療施設看護部長会の取り組み・5
組織横断的な医療安全体制強化の取り組み(2)
赤十字医療施設東部ブロックにおける専門的な有資格者のネットワークづくり
河野 順子
1,2
,
前田 久美子
3
1大田原赤十字病院看護部
2赤十字医療施設東部ブロック看護部
3前大森赤十字病院看護部
pp.80-86
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100017
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はじめに
医療環境の変化に伴い,医療や看護サービスに対する社会の期待は大きく,安全で質の高いケアの提供が求められている。こうしたニーズに対応していくためには,より専門的な知識に基づいた看護実践能力が求められる。専門看護師や認定看護師の領域も種類が増え,褥瘡対策や感染管理など診療報酬上への評価もされつつある。
しかし,各々の医療施設においては看護の質の向上に日々努力しているものの,自施設内だけでは人材育成と情報の有効活用に限界があると感じることも少なくない。また,専門資格を有する看護師をすべての施設で確保することは,まだ困難な状況にある。
東部ブロック赤十字医療施設(以下,東部ブロック)は20施設あり,専門資格の種類や人数のうえからも協力体制が期待できる状況にある。そこで,東部ブロック看護部長会では,組織の力を有効利用して人材育成し,患者の安全を守り,質の高い看護の提供につなげようという趣旨のもとに活動を開始した。
2002(平成14)年は,専門的な有資格看護師の有効活用を目指して検討し,2003(平成15)年からは,東部ブロック赤十字医療施設内の感染管理認定看護師,創傷・オストミー・失禁看護(以下,WOC看護)看護認定看護師,呼吸療法認定士の資格を有する看護師を中心にしたネットワークづくりを目指して活動を継続している。本稿ではこれまでの活動について報告する。
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