連載 看護部長のバーチャルコーポレーションで患者の安全を守る――赤十字医療施設看護部長会の取り組み・6
中間管理者の人事交流研修―赤十字医療施設中四国ブロック内14施設の取り組み
阿部 直美
1
,
前田 久美子
2
1広島赤十字・原爆病院看護部/赤十字医療施設中四国ブロック看護部
2前大森赤十字病院看護部
pp.160-166
発行日 2006年2月10日
Published Date 2006/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100031
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はじめに
日々変化する医療環境に対応し,安全で質の高い医療・看護サービスを提供するためには,そこで働く人材育成の重要性が大きい。
赤十字医療施設中四国ブロック(以下,中四国ブロック)看護部長会では,患者の安全を守り質の高い医療・看護を提供する組織づくりのために,中四国ブロック内14施設の特殊性や課題を検討した。そして中四国ブロックにおいては,看護職員の離職率は低いものの在職年数が長くマンネリ化しやすいこと,ブロック内の交流の機会が少ないことが課題であり,情報交換や情報の共有・活用の重要性を再認識した。患者の安全を守るためには,マンネリ化を打破し看護部組織の強化が必要と考えた(表1)。特に臨床現場の要となるのは,中間管理者(副部長,看護師長,看護係長)である。
そこで,看護部組織の共通の問題を解決する方策として,(1)中間管理者の能力の向上を図る,(2)看護の専門性をもつ人材育成を行なう,という2つの視点から看護部組織の強化を図ることとした。その方法として「中間管理者の人事交流研修」を計画した。人事交流研修は始めたばかりであるが,効果の手応えを感じている。本稿ではその経過について報告する。
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