特集 院内教育支援システムの構築と実際
新人教育支援のためのメディカルeラーニングシステム構築―新人教育におけるその活用の効果
松本 喜代子
1
1聖マリアンナ医科大学病院看護部
pp.118-123
発行日 2006年2月10日
Published Date 2006/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100022
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当院の概要と新人の現状
聖マリアンナ医科大学(以下,当院)は川崎市北部に位置する私立の大学病院であり,特定機能病院である。全看護師職員は900名を超え,2005(平成17)年度は,新人の占める割合は19%(約150名,うち新卒者120名),臨床経験3年未満が全看護師の50%を超える状況にある。現任教育のなかで,看護技術教育を新人向けの基本的な研修(表1),全看護師向けの研修の二本立てで行なっているが,新規の手順・マニュアルの周知は難しく,集合教育の限界も感じている。新人看護師(以下,新人)の医療事故は,注射・与薬に関するインシデント・アクシデントの報告総件数が4~6月はその他の月の3倍にのぼり,月件数は4年目以上の3倍となっている。この新人のトレーニング期間は,看護の質と効率の向上を両立させるにはかなり過酷な状況にあるといえる。
そこで4年前の2001(平成13)年に,看護部理念達成に向けて,集合教育とセクションでのOJTの連携と自学自習を推進するために,院内教育システムを再構築したので,本稿にて紹介する。教育に関しては,キャリア開発ネットワークとして図1のような組織化を図っている。また看護職員全体の年間教育プログラムを図2のように構築している。さらに教育システムを機能させるための仕掛けとして,キャリアファイルなどを個人管理させることにした。その内容は表2に示したとおりである。
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