特集 院内教育支援システムの構築と実際
現場と共振する研修プログラムの開発―中堅看護師研修における試み
谷浦 葉子
1
,
越村 利恵
1
,
福岡 富子
1
,
杉万 俊夫
2
1大阪大学医学部附属病院看護部
2京都大学大学院人間・環境学研究科
pp.124-131
発行日 2006年2月10日
Published Date 2006/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100023
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はじめに
組織がその構成メンバーに対して行なう教育は,組織本来の活動を支える重要な活動の一つである。大阪大学医学部附属病院(以下,当院)においても段階別研修,役割研修,キャリア開発研修,講演会など,さまざまな形態で集合教育(研修)を行なっている。研修方法は,知識や技術の習得を主とした講義形式のものや,現状の問題点の分析・行動計画の策定など演習を主としたものなど多岐にわたるが,いずれの場合も研修後現場に戻った研修生が,学習したことをいかに実践できるようになるかが課題となる。
しかし,研修期間中も現場は研修とは無関係に日常の業務を継続しているため,研修期間中に研修生がいかに優れた行動計画を立てたとしても,研修生が現場に復帰してから,それを実行するのは容易ではない。この乖離を解消すべく,研修の場と現場との接続をより密接にした研修プログラムを開発した。研修が終了してから実行の第一歩を踏み出すのではなく,研修期間中に実行が「すでに始まっている」という意味で,これを「Already-Started型」研修プログラムと命名した。
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