焦点
新人教育における教育的関わり―看護事故から新人を守る
金井 淳
1
1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター
pp.906-911
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902286
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はじめに
看護基礎教育のカリキュラムの改正により実習時間が人幅に減少し,新人ナースの看護技術能力が低下しているといわれている。そんななかで臨床ではプリセプターシップという教育方法を導入し,先輩ナースが新人の看護の理想と現実とのギャップやリアリティショックを軽減して,新人を1人の看護婦として成長していくことができるように関わっている。しかし,先輩ナースは,新人に1日も早くナースとして責任を持ち,スタッフとして業務をこなせるようになってほしいとも願っている。このように教育の理想と実際の迷いがある。そして看護事故が注目されている今,事故が起こらないよう患者の安全を第1に考え,新人をもサポートし,どのように看護を行なっていくかが重要な点であると思われる。
昨年,筆者は卒後教育機関である神奈川県立看護教育大学校の看護教育学科での看護研究において,新人の経験している世界がどのようなものなのか,先輩ナースは新人の経験していることに対して効果的な指導が行なえているのかということに関心を持ち,臨床における新人ナースと先輩ナースの指導意識について研究を行なった。そこから見えた新人の経験と,それに対してどのような関わりが必要か看護研究から得られた見解を述べたい。また,現在筆者は新しい部署で勤務し,新人が経験していることを実体験している。
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