特集 日本看護診断研究会・第2回学術集会報告
一般演題
4.看護診断に基づいた標準看護計画の導入とその活用の実態
細井 恵子
1
,
山本 淳子
1
,
井上 佳子
1
,
広瀬 千也子
1
1慶応義塾大学病院・呼吸・循環器外科病棟
pp.151-157
発行日 1993年2月28日
Published Date 1993/2/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900126
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はじめに
私たちの病棟はICUを5床含む呼吸,循環器外科病棟である。疾患のリスクが高く,医学的治療が最優先される場合が多く,看護も身体的側面へのケアが優先される傾向にある。そのため,従来の問題リストは疾患名,症状の記載が多く,看護上の問題は焦点がはっきりしなかった。このような状況の中で私たちは患者理解に必要な視点,アセスメント能力,記録の表現方法について学習の必要性を感じた。そこで1987年(昭和62年)より看護診断を中心とした看護過程の学習を始め,看護記録様式の修正を行ないながら看護理論を実践に適応させてきた。
1991年からは,私たちがとらえた看護上の問題をより看護診断に近づけるため,特にNANDAリストの診断,定義,カテゴリーの学習をし,更に医師からの医学的な評価の示唆を受けながら実践の場で活用し検討を重ねてきた。しかし健康管理,自己知覚,価値・信条等に関する看護診断は,アメリカと日本では歴史や文化の違いもあり,更に翻訳語の違和感もあり,実際に活用し共通理解するには容易でなかった。そこで当病棟に適した看護診断を明確にし体系化するために標準看護計画作成への取り組みを始めた。そして同年7月に心臓外科患者を対象とし,「心臓外科標準看護計画」を作成し実践の場での活用を試みた。
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