特集 チーム医療の中のPOS—第14回POS研究会報告
一般演題
20 聴取データ活用による看護診断の導入
溝上 五十鈴
1
,
岩本 恵美子
1
1広島大学医学部附属病院看護部
pp.1007-1010
発行日 1992年11月30日
Published Date 1992/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903654
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当院では1990年1月1日より入院カルテが改善された.それに伴って看護記録用紙(予診聴取用紙・看護計画・経過記録・検温表・フローシート)も改善された.しかしナースは記録の様式に戸惑い,記録された内容にも問題が生じてきた.つまり①それぞれの看護記録の関連性が見失われたため,記録の内容がばらばらになった,②患者の全体像が把握できにくくなり,看護介入を要する問題が不明確となった,③看護診断は一律化してしまい患者の個別性がなくなった,④誰にでも理解・納得できるような具体的な記録ではなかった.
そこで私たちはまず予診聴取時の記録から見直し,どういう観点で情報収集すれば看護実践に有効な看護診断を導入できるかを検討した.その結果,
1)子診聴取用紙の記載項目を予め「人の生活行動様式」1)にもとづき3分類する.
2)「看護診断類型カテゴリー」1)に照合しながらさらに10分野に類別する.
3)予診聴取時から看護診断を意識する.
4)正確な情報を収集し予診聴用紙のすべての項目に記入していく.
5)「看護診断にいたる過程」1)のS・0データ欄に予診項目の10分野に類別したデータを記入していく.
6)そのデータすべてについて読みとりながら「看護診断にいたる過程」を作成していく.ただし思考過程を第三者にも理解できるように整理し記録していく.
以上のことから看護診断の導入ができたので報告する.
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