特集 家族計画指導を考える
家族計画指導の実態
山崎 文江
1
1国立浜松病院産科病棟
pp.27-29
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204602
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1.はじめに
近頃私たちが心を痛めることに,捨て子,嬰児殺し,親の蒸発などがある。文明の発達は母性愛を弱め非情嬰児受難時代の感がある。また人工中絶件数は増加こそすれ減少の傾向は認められない。昔の人は,子はかすがいであり宝であり,授りものとして出生を待ち望み愛育したものである。
第2次大戦後急速に性の解放と,女性の家庭専従からの解放,家族制度の崩壊など,母性の本質も崩壊していった。現実のよりよい生活の追求のために,おのずと妊娠および出産制限をよぎなくされているにもかかわらず,受胎調節に必要な知識の普及は十分なされていない。病院および医院などでは,人工中絶は行なっているが,その前後の保健指導および受調指導を行なっている施設は少ない。私たちが今,本気で取組まなくてはならない問題として,家族計画に未熟ながら参加してみたので,今後の問題点などについて述べてみたいと思う。
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