連載 理論構築を学ぶ─看護現象から知を生むために・3
理論を評価する①理論分析
片岡 千明
1
,
(コラム)坂下 玲子
1,2,3
1兵庫県立大学看護学部
2兵庫県立大学大学院看護学研究科
3兵庫県立大学看護学部臨床研究支援センター
pp.276-283
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201385
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
理論の評価プロセス
質の高い看護実践や知識の開発のために,理論を評価することは重要である。理論を評価することで,研究,教育または管理のための枠組みとして使用するのに適した理論を選択できる。また,理論を評価し活用していくことでさらに理論を発展させ,より実践的な中範囲理論などの開発やガイドラインの作成につながっていく。つまり理論を評価することで,理論をさまざまな視点から理解し,理論を活用していくことが可能となり,それは研究だけでなく,質の高い看護実践のためにも必要なことであるといえる。
理論を評価するときには,客観的,または主観的な判断基準を用いて行なうことが多く,多くの理論家がその基準を提案している(Barnum,1998;Chinn & Kramer,2004;Fawcett,2005;Whall,2005)。看護領域における理論の評価基準は,社会学と心理学領域の影響を受け開発されたものが多いが,人々の経験や相互作用といった複雑な文脈を扱う看護学の本質を十分に反映した,看護独自の評価基準を用いる必要がある。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.