特別記事
─【研究対象者に対する研究倫理を考える①】─研究対象者に対する倫理的配慮の問題点
河原 智江
1
,
久保 恭子
2
,
西村 ユミ
3
1共立女子大学看護学部
2東京医療保健大学東が丘・立川看護学部
3首都大学東京大学院人間健康科学研究科
キーワード:
研究倫理
,
研究対象者
,
倫理的配慮
,
研究者
Keyword:
研究倫理
,
研究対象者
,
倫理的配慮
,
研究者
pp.206-209
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201250
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
“看護研究を行なう場合,研究に取り組む研究者は当該研究の倫理的問題を整理し,研究対象者(研究協力者)に対する倫理的配慮を十分に検討し対応することは,改めていうまでもないことである”というテーゼは,果たして本当にそうなのだろうか。
筆者らは,研究対象者に対する倫理的配慮について,「研究対象者のための倫理的配慮となっているのか?」と疑問をもつ場面に遭遇することが多い。そのようなことから,「いったい,研究者と研究対象者の間で何が起こっているのか? もしかすると研究対象者は,研究者に不信や不満をもつ状況になっているのではないか?」と強い疑念をもつに至った。
そこで,本特別記事では4回にわたり,研究対象者に対して倫理的問題となると考えられることや,そして,それが現実に倫理的問題となるのであれば何が課題となるのかということについて検討し,研究対象者の立場に立った研究倫理を再考することとしたい。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.