Japanese
English
資料
研究対象者への倫理的配慮を踏まえた研究承諾の方法について
Ethical Consideration of Research Subjects
野村 千文
1
,
比嘉 肖江
1
,
山田 紀代美
1
Chifumi Nomura
1
,
Norie Higa
1
,
Kiyomi Yamada
1
1静岡県立大学看護学部
1University of Shizuoka, School of Nursing
キーワード:
看護研究
,
倫理
,
研究承諾
,
Nursing Research
,
Ethics
,
Patient(Subject) Consent for Research
Keyword:
看護研究
,
倫理
,
研究承諾
,
Nursing Research
,
Ethics
,
Patient(Subject) Consent for Research
pp.31-37
発行日 2001年6月30日
Published Date 2001/6/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200162
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.緒言
近年、看護研究は研究機関のみならず、あらゆる看護活動の場にも浸透し活発化してきている。看護研究は、主に人間を対象とする研究であるため、研究対象者への倫理的配慮に細心の留意を払うことが求められる。これに関して香春は1)「看護研究で何を倫理的原則として掲げるか、そして研究のプロセスにおける倫理的状況に対して感受性を持つこと(中略)そして、最も正当化し得る倫理的意志決定をしていく能力を高めていくことが、看護研究者に求められる重要な能力の一つである」と述べている。研究に携わる者であれば、常にこのことを念頭におき、研究を遂行することを心がけているであろう。
しかし一方で、様々な倫理的問題が発生していることも指摘されており、いまだ研究者の倫理的配慮に対する判断力に問題があることが考えられる。さらに、普段から研究を依頼する立場ばかりにいると、その感受性が鈍くなってしまうことが危惧される。このことは、皮肉にも立場が逆転し、自らが研究対象者となった時に気づかされることが多い。我々が、よく協力依頼される調査に質問紙調査がある。その際の依頼方法は、研究者から直接説明を聞くのではなく、郵送されてきた依頼文中に、研究目的や調査方法とともに、プライバシー保護に留意する旨が簡単に記されているだけの場合が多い。依頼された側は、これを手がかりに協力の諾否を判断し、賛同する場合は回答を送付することとなるが、中には、安心して調査に協力することができないと感じることがある。それは、回答を返送することが、研究に関するすべての過程に承諾したという手続きに変えられるのではないかとの危惧が生じるためである。
Copyright © 2001, Japan Society of Nursing and Health Care All rights reserved.