連載 Journal Watch 海外の看護学研究から学ぶ・4
看護学生への災害時の看護管理教育を考える
小玉 淑巨
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1東京医科歯科大学大学院看護システムマネジメント学博士後期課程
pp.508-511
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201167
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今回のJournal Watchでは,Japan Journal of nursing science(JJNS)の第12巻の論文を対象としました。今回私が取り上げた論文は,トルコと日本の看護系大学の学生に対する災害の知識や役割に関する量的な調査研究の論文でした。
私がこの論文を選択した理由は,自身が看護管理の研究に携わっていること,そして,数多くの災害に見舞われている日本において,看護師に必要な災害時の看護管理の教育について考えていたということがあります。私は,3.11の東日本大震災が起きた当時は,都内の病院で勤務していました。病院では地震による直接的被害は無かったものの,混乱する臨床の現場を体験しました。このときに,入院患者のケアの必要性を感じるとともに,ベッドコントロールや患者の避難の順番,経路をどのようにするかなどを適切に判断し対応する管理能力をもつ必要性を感じました。この経験より,看護師が災害時の管理能力を身につけるためには,看護学生のときからの教育が必要ではないかと考えていたため,この研究は大変興味深いものでした。
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