連載 Journal Watch 海外の看護学研究から学ぶ・4
米国の看護研究チームの活動を知る─項目反応理論モデルを用いた二次分析
那須 佳津美
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1東京医科歯科大学大学院看護システムマネジメント学博士課程
pp.512-514
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201168
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今回のJournal Watchでは,Nursing Research(NR)の64巻2号,Japan Journal of Nursing Science(JJNS)の12巻2号が対象となり,NRから3篇,JJNSから4篇の計7編の論文(量的研究6篇,質的研究1篇)が取り上げられ,議論がなされました。
今回私が取り上げた研究論文は,わが国の高齢者ケア領域の臨床や研究でもActivities of Daily Living(ADL)の評価によく用いられているBarthel Index(BI)が,長期ケア施設に入居する高齢者にも有用かどうか,項目反応理論(Item Response Theory;IRT)モデルを用いて分析したものでした。BIは,1965年にMahoney & Barthelにより開発された,二択および多肢選択項目を含むADLの機能状態のアセスメント指標です。脳梗塞,神経疾患,脳外傷,脊髄外傷といったさまざまな患者群でその信頼性と妥当性が検証され,高齢者のADLの標準的なアセスメント指標として推奨されています。また,複数回の改訂と,オリジナルの10項目以外にも,15項目,8項目,5項目といったバージョンが開発されています。得点のつけ方や合計点はそれぞれのバージョンで異なっており,やや複雑なものになっています。わが国でよく用いられている日本語版は,10項目100点満点のものです。
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