連載 看護における質的研究の前提と正当性・3
ガダマーについて―看護研究におけるその意義
家高 洋
1
1大阪大学大学院文学研究科
pp.336-346
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100792
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
承前と今回の内容
前回(第2回)では,看護における質的研究の前提としての言語について考察した。言語は,単なる道具ではなく,我々の世界の見方を示し,方向づける存在であって,コミュニケーションの過程において,その意味や使い方が変化し修正されていく。このような言語によって人々のさまざまな志向が共有され,言語を介して「意味」等の事象が顕わになるのである。
今回は,看護研究におけるガダマーの思想の意義を示す。まず,なぜガダマーが重要だと考えたのかについて述べ(第1節),ガダマーの基本的な企図をまとめる(第2節)。そして,バイアスの問題を手引きとしながら,経験と理解についてのガダマーの思想を紹介し検討する(第3節)。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.