連載 ナイチンゲール―在宅医療へのまなざし・7
歴史研究の意義
小川 典子
1
1北里大学看護学部
pp.546-547
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901967
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ノストラダムスの大予言では,この7月が世界の大きな転機となるらしいが,ナイチンゲールの語った「2000年には病人を彼ら自身の家で看護することになるだろう」という期待も,在宅看護が世界的な傾向となりつつある今,ある意味では予言が的中したといえるかもしれない.
ナイチンゲールはときどき,未来のことを言って当時の人々を驚かせたが,しかもその意見が現在から見るとあまりにも的を得ているので,私たちも大いに驚くことになる.たとえば,当時は看護婦のための訓練学校の必要性を考えている人はほとんどいなかったが,彼女は「一般の人々が,看護婦の訓練学校のない大病院は,学生のための医学校がないのと同様に不完全なものだと考える日がそのうち来るでしょう」と語っている1).現在の日本における看護大学の躍進ぶりを,彼女に伝えたいところである.
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