研究報告
腹膜透析療養者のセルフケア能力に影響を及ぼす要因
三村 洋美
1
,
人見 裕江
2
,
中平 みわ
3
,
國方 弘子
4
,
田村 博之
5
1福岡県立大学看護学部老年看護学講座
2島根大学医学部看護学科地域看護学講座
3グリフィス大学看護学部
4岡山大学医学部保健学科看護学専攻
5東京共済病院腎臓内科・血液浄化センター
キーワード:
腹膜透析
,
セルフケア
,
セルフケア・エージェンシー
,
パス解析
Keyword:
腹膜透析
,
セルフケア
,
セルフケア・エージェンシー
,
パス解析
pp.55-64
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100172
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本研究は,質問紙法を用い,85名の腹膜透析療養者のセルフケア能力に影響を及ぼす因子を明らかにした。質問紙は,①腹膜透析療養者のセルフケア能力尺度(PDSCA),②三村(2003)および三村・田村ら(2004)の先行研究をもとにセルフケア能力に影響を与えると予測した20項目,③研究協力者の基本属性,の3つのパートで構成されたものを使用した。PDSCAに影響を与えると予測される項目を因子分析したところ,『向かい合えない』と『自分が分かる』の2つの因子が抽出された。この因子構造に従って,2つの因子を説明変数,PDSCA合計得点を目的変数としてパス解析を行なった結果,決定係数は0.59であった。モデルの適合度はGFI 0.950,AGFI 0.884,IFI 0.960,MRSEA 0.074であり,データのモデルへの適合は良好であった。さらに,すべてのパス係数のCritical Ratioは1.96以上で有意なパスであった。『向かい合えない』と認識する人ほど,セルフケア能力が低くなり,『自分が分かる』と認識する人ほどセルフケア能力が高くなることが明らかになった。
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