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本研究の目的は,腹膜透析患者のボディイメージ・セルフケア能力の特性を明らかにすることである.
研究対象者は,腹膜透析患者87名(平均59.4歳/30〜80歳代)である.研究方法は,無記名自記式アンケート調査である.アンケート内容は患者のボディイメージ混乱・セルフケア能力を測定するために既存の尺度であるBody Image Assessment Tool(以下,BIATと略す),腹膜透析療養者のセルフケア能力尺度(Peritoneal Dialysis Self-Care Agency:以下,PDSCAと略す)を使用した.患者属性は性別,年齢,腹膜透析の継続期間,段階的腹膜透析導入法(stepwise initiation of peritoneal dialysis using Moncrief and Popovich technique:以下,SMAP法と略す)実施の有無,腹膜透析カテーテル出口部部位,主たる腹膜透析実施者について調査し,分析は患者基本属性とBIAT・PDSCA下位概念について,Mann-WhitneyのU検定およびKruskal-Wallisの検定を行った.
ボディイメージは患者属性による有意差はみられなかった.しかし,セルフケア能力はセルフケア能力の下位概念である「受容する力」で年齢20〜50歳代と60歳代より70〜80歳代が有意に高く,右腹部・左腹部に腹膜透析カテーテル出口部部位がある場合より中央にカテーテル出口部部位がある場合のほうが有意に高いことが確認できた.以上の結果から腹膜透析患者のボディイメージは属性にかかわりなく変容し,混乱が起こる可能性がある.そのため,腹膜透析患者に対しボディイメージ変容の状態をアセスメントすることが重要である.また,セルフケア能力は年齢や腹膜透析カテーテル出口部部位の違いを考慮する必要があることが示唆された.
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