Japanese
English
研究と報告
半側空間無視が基本ADLに与える影響
The influence of unilateral spatial neglect on activities of daily living.
森田 秋子
1
,
小林 修二
2,3
Akiko Morita
1
,
Shuji Kobayashi
2,3
1国際医療福祉大学保健医療学部言語聴覚学科
2慈誠会徳丸病院
3現・目白大学保健医療学部理学療法学科
1Department of Speech and Hearing Sciences, International University of Health and Welfare
2Department of Rehabilitation, Jiseikai Tokumaru Hospital
キーワード:
半側空間無視
,
基本ADL
,
MMSE
,
パス解析
,
包括モデル
Keyword:
半側空間無視
,
基本ADL
,
MMSE
,
パス解析
,
包括モデル
pp.799-804
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101019
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要旨:半側空間無視(unilateral spatial neglect;USN)が,基本ADL(activities of daily liuing)に与える影響を明らかにした.対象は発症3か月以内に慈誠会徳丸病院に入院した初発の脳血管障害患者のうち,右大脳半球に損傷を認めた83名であった.患者の入院時,入院3,6,9か月時のバーセルインデックス(BI),ミニ・メンタルステート(MMSE),体幹下肢運動年齢(MOA),上肢機能得点を計測した.USNは線分二等分,線分抹消,図形模写検査のうち,1検査以上で所見を認めた場合,ありとした.分析はパス解析を用いた.その結果,決定係数は入院時0.774でその後漸減し,入院9か月時は0.699であった.いずれの時期にもBIに対して影響を与えたのはMOAとMMSEで,年齢は入院6か月以降影響を与えた.USNは入院6か月まではBIに影響を与えたが,入院9か月には影響を与えなかった.年齢が若く,知的に保たれている患者では,発症初期にUSNを認めても基本ADLは改善できる可能性が示された.
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