特別記事
Parental Burnout(子育てバーンアウト)に関する文献レビュー
木戸 久美子
1
,
植村 裕子
1
,
古谷 嘉一郎
2
1香川県立保健医療大学保健医療学部看護学科
2北海学園大学経営学部
pp.170-179
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201990
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Parental Burnout(子育てバーンアウト)は,心理学領域で注目されつつある概念である。子育てバーンアウトは,うつ病とも関連1)があり,子育てを行う親の精神的健康と密接な関連があると言える。しかしながら,周産期領域においては,その知見の集積が十分ではない。また,現場で働く助産師にとっては,あまり馴染みのない概念と言えるだろう。助産師が,子育てを行う親を支える専門職として,子育てそのものが親を疲弊させ,その意欲を喪失させる可能性を秘めていることを視野に入れて,母親や父親に関わることは,援助や支援の方向性を決定する上で重要である。
本稿は,子育てバーンアウト(Maternal Burnout/Paternal Burnout)に関してこれまでに明らかにされている知見を要約し,子育てを行う母親や父親と接する専門職に向けて紹介することを目的とする。主として,子育てバーンアウトの主要概念および定義,危険因子,スクリーニング方法,有病率,介入についての文献を簡潔に紹介する。
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