【調査報告】
1.透析看護者のBurnout関連要因について
安斉 美幸
1
,
阿部 福代
1
,
萩原 千鶴子
1
,
岡 美智代
2
1医療法人眞仁会横須賀クリニック
2山形大学医学部看護学科
pp.72-77
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100023
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はじめに
わが国における“燃えつき(Burnout)現象”の研究は,1988年土居1) によって初めて研究結果が報告され,その後対象の広がりとともに関連要因との関係やその対策などさまざまな側面からの研究が進められている.対人医療サービスの分野では,特に看護職にBurnoutが高率に発生することが指摘されており,それが看護者自身の健康問題はもとより,患者ケアへの意欲の喪失や離職へと発展することから,個人の問題だけにとどまらず職場全体における深刻な問題であることが議論されている.
透析医療に従事する看護者においては,日常業務として生命維持装置に直接的にかかわる機器操作を行うとともに,複雑な心理・社会的問題をかかえる患者の葛藤と自立を支える全人的ケアが要求されている.このような環境は,透析看護者の精神的疲弊を招きやすく,Burnoutに陥りやすい状況と考えられる.
本研究の目的は,透析看護者のBurnoutの実態調査を行い,一般病棟の看護者との比較を通して,透析看護者のBurnoutと心理・社会的要因との関連性を明らかにすることである.
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