焦点 Burnout
研究
看護婦のBurnoutに関する要因分析—ストレス認知,コーピングおよびBurnoutの関係
近澤 範子
1
1芸西病院
pp.157-172
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200965
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はじめに
近年,科学技術の目覚ましい進歩や人口の高齢化,疾病構造の変化に伴って医療の対象は著しく拡大しつつあり,看護婦の仕事の内容はますます複雑化,多様化する傾向にある。看護婦の仕事は,患者ケアの難しさや職場内の対人関係,不規則な勤務体制,過重労働などのさまざまなストレス因子を内包している(井部,1984;稲岡ら,1984)。特に,大学病院や地域における医療の中核的な役割を担う総合病院においては,日進月歩の医学の進歩を反映して,倫理的にも技術的にも新たな対応を迫られる状況に直面する機会が多く,末端の医療施設に比して,いっそう仕事上のストレス因子は増強しつつあるものと思われる。
しかしながら,このような状況で働く看護婦自身の健康上の問題が注目されるようになったのは,ごく最近のことである。看護婦の労働条件に関する調査や看護管理に関する既存の研究についてみても,看護婦自身の健康との関連を究明しようとしたものは極めて少ない。看護を実践する個々の看護婦自身の健康に焦点を当てた現状分析と対策の検討を行なうことは,看護実践の質的向上を図る意味からも急務であると考える。
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