焦点 Burnout
解説
Burnout現象とBurnoutスケールについて
稲岡 文昭
1
1日本赤十字看護大学
pp.147-155
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200964
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はじめに
Burnoutに関する概要,研究の動向の課題の項で記述したように,一口にBurnoutと言っても,それぞれの研究者や理論家,さらに臨床家により定義がさまざまである。しかしながら,"長期間にわたり人に援助する過程で,心的エネルギーが絶えず過度に要求された結果,極度の心身の疲労と感情の枯渇を主とする症候群であり,卑下,仕事嫌悪,関心や思いやりの喪失等を伴う状態である"と定義したMaslachの概念が,human service profession,helping profession,あるいはhealth professionと呼ばれる人たちの間でコンセンサスを得ているようである。米国のhealth professionの間では,このMaslachの概念を基盤にして多様な研究が行なわれている。これらの研究でBurnoutを測定するスケールは,現在のところPines,Maslach,Jonesによって開発された3つのスケールである。ここで1つ1つのスケールについて簡潔に説明してみよう。
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