連載 5つのテーマで学ぶ女性ホルモン剤と血栓症・5【最終回】
女性ホルモン剤と血栓症のリスク因子,血液型別リスクおよび予後—全国疫学調査結果から②
杉浦 和子
1,2
1名古屋市立大学看護学部
2名古屋市立大学大学院看護学研究科
pp.962-966
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201953
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今回の主なテーマ
・静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)は,40歳以上,肥満,喫煙,3時間以上の座位などの危険因子を持つ女性に多く,BMI25以上の肥満群では,標準群に比べて,そのリスクは2倍以上である。年代別では,40代が最も多い。
・動脈血栓塞栓症(arterial thromboembolism:ATE)は,40歳以上,肥満,喫煙,高血圧などの危険因子を持つ女性に多く,加齢とともにその頻度が増えてくる。
・O型以外の血液型は発症リスクが高く,VTEでは2倍を超える。
・VTEよりATEの方が予後不良である。死亡はVTEに多いが,後遺症ありや未回復はATEに多い。また,どの年代においても同様に発症し,発症後の予後は変わらない。
・血栓症の早期発見には,ホーマンズ徴候とACHESの有無の確認を行う。
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