特集 老人の医療と福祉
全国調査の結果から
永田 幹夫
pp.25-26
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204692
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43年に私のほうで全国的に寝たきり老人調査を実施したわけです。その動機は,1つには一般的に社会福祉において従来の施設収容中心のいき方に対して,最近は地域対策といいますか,あるいは在宅援護といった方法が重視されてきている。民生委員の活動の中からもそうした声が非常に出てきている。
それから,42年に長野県で民生委員が寝たきり老人の調査をいたしまして,その結果,国保の10割給付をやる市町村がいくつか出た。そういうところからこれは非常に必要なことだと思い,全国的にやってみたわけです。調査時期は43年7月,対象は70歳以上の老人ということで調査をしました。その結果,70歳以上で寝たきり老人がだいたい20万人ぐらいいるという結果が出たわけです。この数字は,厚生省でも推計しておりまして,だいたい70歳以上は20万。60歳以上ですとその倍くらいいるんじゃないかといわれておったわけですがこの調査でほぼ裏付けられたといえます。ですから60歳以上を老人とすれば,今でもだいたい40〜50万の老人が寝たきりの状態にあるということが,いえるわけです。
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