連載 5つのテーマで学ぶ女性ホルモン剤と血栓症・3
女性ホルモン剤の服用と血栓症発症率の関係
杉浦 和子
1,2
1名古屋市立大学看護学部
2名古屋市立大学大学院看護学研究科
pp.790-794
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201908
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今回の主なテーマ
・肺塞栓症(pulmonary embolism:PE)は,欧米では虚血性心疾患,脳血管障害と並んで3大血管疾患に位置付けられ,その9割以上が下肢の深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)に起因する。
・海外データでは,経口避妊薬(oral contraceptives:OC)服用者は非服用者・非妊婦に比べ静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)発症数はわずかに高まるが,妊娠中や出産後12週間の発症数の方がはるかに多い。
・日本人においても,女性ホルモン剤を服用すれば一定頻度で血栓症,とくにVTEの発症リスクが高まる。
・日本人女性において,LEP(low dose estrogen-progestin)製剤使用における血栓症は,治療の対象となる20代から40代では,40代が最も高く,40歳を超えると一気にリスクが高まる。
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