今月の主題 最新の肺癌診療
肺癌の疫学—組織型別の動向とそのリスクファクター
津金 昌一郎
1
1国立がんセンター研究所・疫学部
pp.388-390
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909602
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ポイント
1)組織型別にみると,腺癌はいずれの年齢皮癌は男性の若年層や女性において減少傾向を認めている.
2)扁平上皮癌は,喫煙がなければほとんど発症しえないが,その確率を修飾する他の要因(緑黄色野菜や素因など)も存在する.
3)腺癌のリスクファクターは未知であるが,弱いながらも喫煙が関連している.
4)日本は欧米に比べて扁平上皮癌の発症率が低いために,相対的に腺癌の割合が高い.そのため喫煙率減少による肺癌の減少効果が現れにくい.
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