連載 スクリーンのなかの助産師 出産シーンあれこれ・7
出産を通し,あらためて名作に感動
渡辺 俊雄
pp.592-593
発行日 2015年7月25日
Published Date 2015/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200251
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女性たちが輝いている「風と共に去りぬ」
1939(昭和14)年に製作されながら,太平洋戦争のためすぐには輸入されず,日本では終戦から7年も経った1952(昭和27)年に初公開された,映画史上に輝く名作「風と共に去りぬ」にも出産シーンが2回出てくる。
映画の中盤,南北戦争の最中,アシュレーの妻メラニーが産気づくが,アシュレーは出征中で彼女のそばにはスカーレットと,若くて少々頼りない黒人召使プリシーしかいない。難産が予想されるため,心配したスカーレットはなじみの医師を自宅に呼ぼうとするが,戦場で無数の負傷者の手当てに追われている医師はそれどころではない。医師から「産婆を呼びなさい」と言われるが当てがない。仕方なく,召使プリシーに「お前が産婆をやりなさい」と命じる。「ええーっ,私がですか,お嬢さま。私,お産のことなんか何1つ知りませんけど……」「いいから,お湯を沸かしなさい。糸とタオルとハサミを用意して! 大急ぎで用意するのよ」。
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