想園
ある感動
国井 栄子
1
1岡山赤十字高等看護学院
pp.64-65
発行日 1964年3月1日
Published Date 1964/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912185
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黒のセーターに真珠のネックレスの二木シヅヱ先生のファイトと自信にみちた講演は完全に数百人の会員を魅了した。ファイトと自信。現在の私たち(看護婦)の忘れかけていたものを,完全によみがえさせる3時間有余であった。
看護協会岡山県支部の研究会は11月17日津山市の教育会館において開催された。午後からのプログラムに教育係は,特別講演をどなたにお願いしようかと考えた。教育係の中の1人が「二木シヅヱさんて人はどう?」と提案した。私達教育係は一致してその提案に賛成した。毎日新聞に掲載されている《ある根性》という欄に看護婦として大きくクローズアップされた二木シヅヱ先生である。その記事の中に,病院管理研究所のある職員が「日本の看護婦のなかで看護とは何かをほんとうにわきまえているのは,10人くらいではないか」とこれまた驚くべき感想をもらした。その《10人》の中の1人がこの二木シヅヱ先生だということが書かれていた。今でこそ看護の月刊雑誌に執筆され活躍されている先生であるが,私たちがお願いした時は,ただ新聞記事にかかれた先生のみを知っているだけで,この計画には多少の不安もあった。しかし私達教育係の計画に間違いのなかったことは,3時間有余の講演内容によってはっきり知らされた。
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