連載 本のなる樹・8
想像の遊びで生きる力を
さくま ゆみこ
pp.746-747
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101499
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- 文献概要
私の子ども時代は,学校が終われば「遊ぶ」と決まっていた。年齢もさまざまな近所の子どもたちが集まって,石蹴り,馬跳び,だるまさんが転んだ,S字鬼,ドッジボール,助けボール,縄跳び,缶蹴り,ちゃんばらごっこ……と,日が沈むまで遊びほうけていた。あのころの小学校は1クラスが50人以上いたが,その中で放課後の遊びに加わらずに塾に行っていたのは6年生のときでも1人だけ。その子は長じて弁護士になったが,塾に行くほど勉強が好きだったのかどうかは,わからない。
今の子どもはもっと忙しくなり,塾やスイミングやピアノと追いまくられ,遊んでいる暇もなかなかないらしい。それに,遊ぶといったって,外で身体を動かして遊ぶより,室内や移動中の電車の中でゲームをやっているほうが多いかもしれない。でも夏休みくらい,大人も子どももいっしょになって,イマジネーションを働かせる素朴な遊びの世界に心を解き放ってみてはどうだろう?
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