Editorial
高齢社会への想像力を持とう
藤沼 康樹
1
1日本生協連医療部会家庭医療学開発センター
pp.625
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101473
- 有料閲覧
- 文献概要
高齢社会や介護の問題は,アニメーションの世界でもしばしば取り上げられる.そのひとつは,1991年に公開された映画「老人Z」(北久保弘之監督)である.
最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターに選ばれた高沢老人は認知症で寝たきりである.高沢老人の介護をしながら徐々に暴走を始めたZ-001号機は,さまざまなメカを取り込みそのロボットとしての能力を強化しつつ,すでに亡くなった高沢老人の愛情深い妻の人格を内部に形成することになる.Z-001号機は愛する高沢老人に懐かしい海を見せるために,ありとあらゆる国家からの攻撃に耐えつつ,疾走するのである.高沢老人の純粋さと,その妻の愛情がよく伝わる優れたSFアニメである.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.