連載 分娩経過曲線のヒミツ・4
フリードマン曲線はいつ日本にやってきたのか―教科書の掲載内容の変遷から
高橋 由紀
1
,
大橋 幸美
1
,
山口 香苗
2
,
立岡 弓子
3
1名古屋大学大学院医学系研究科博士後期課程
2名古屋大学大学院医学系研究科博士前期課程
3名古屋大学医学部保健学科看護学専攻
pp.367-371
発行日 2008年4月25日
Published Date 2008/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101210
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フリードマン曲線の位置づけが時代とともに変化している!
連載第1回・第2回では,フリードマンの研究論文を読み直し,フリードマンは分娩経過の異常を早期に発見するために分娩経過曲線を作成したこと,テキストなどに掲載されているフリードマン曲線は異常症例や薬剤投与例も含まれていることを紹介しました。また,連載第3回では,フリードマンが分娩開始の時期をしっかりと定義せずに研究していることから,テキストでの「分娩開始の定義」の記載がどのように変遷してきたのかをみていきました。
こうして,フリードマン曲線は「あと何時間で分娩になるか」を導く指標として開発されたものではないことがわかったのですが,私たちは半世紀以上前に発刊された産科学や助産学のテキストを読みすすめるなかで,フリードマン曲線の紹介の仕方が変化していることに気づきました。現在の助産学のテキストはフリードマン曲線を「分娩予測や経過予測の指標」として掲載しているのですが,古いテキストでは,そうした扱いにはなっていないのです。
今回は,いつからフリードマン曲線が産科学,助産学,母性看護学のテキストに登場し,その紹介の仕方がどのように変わっていったのかを調査した結果をご報告します。
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