連載 分娩経過曲線のヒミツ・1【新連載】
【フリードマン曲線は,なぜ当たらない?①】フリードマンが分娩経過曲線を作った理由
立岡 弓子
1
1名古屋大学医学部保健学科
pp.66-70
発行日 2008年1月25日
Published Date 2008/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101151
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連載を始めるにあたって
産科学,助産学,母性看護学のテキストには,分娩経過の指標として当たり前のようにフリードマン曲線が掲載されています1)。それほど一般化された指標でありながら,フリードマン曲線は臨床現場で分娩経過を診断するにあたって,有効に活用されているでしょうか?実際には,フリードマン曲線が当てはまらない分娩症例がほとんどです。そのことに臨床の助産師や助産学の研究者は「なぜ?」と疑問を抱きながらも,再考されてきませんでした。
私たち名古屋大学医学部保健学科の助産学教員を中心としたメンバーは,平成18年度日本助産学会学術奨励研究助成を受け,フリードマン曲線の成り立ちから再点検し,助産学における意味を問い直す貴重な機会を得ることができました。これから始まる1年間の連載は,そこでの成果にもとづくものです。この機会をとおして分娩に携わる方々に,このフリードマン曲線は日本人の分娩経過に対してどのような意味をもっているのか,あらためて考えてもらえたらと思っています。
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