連載 チャレンジ!自立と責任・4
―済生会宇都宮病院(栃木県・宇都宮市)―本邦初「欧米型バースセンター」の胎動
河合 蘭
pp.360-365
発行日 2008年4月25日
Published Date 2008/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101209
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
通常の産科病棟とは違う満足を求めて
済生会宇都宮病院の最上階で,産科医,助産師,設計士らが大きな図面を広げ,夜遅くまでミーティングをしていた。病院にある雑多な音から隔絶された静かなフロア。もとは人間ドックがあった場所だが,すでに移転は完了している。ここに,これから日本最大級の院内助産院ができる。いや,この病院の産婦人科医長・飯田俊彦氏に言わせれば,ここは産科病棟とは明確に「場」を分けたという意味で,院内助産院ではなく「バースセンター」だという。準備が始まったのは2007年5月。助産師によるワーキンググループが動いて助産院研修が始まり,産科医・湯山公美子氏は米国ワシントンDCとミシガンにまで視察に行った。
確かに,この院内助産院は日本のものとしては圧倒的な規模と言える。4室のLDRを擁し,妊婦健診の診察室,クラス会場もある。妊娠から産後まで,正常妊娠・出産・産後のケアすべてが,助産師の手で行なわれる。助産師6名を産婦人科病棟からここに移して専任とし,予定している年間分娩件数は200件。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.