連載 とらうべ
夫はまず,自分のコトから
山田 亮
1,2
1佛教大学通信課程
2京都大学医療技術短期大学部
pp.891
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100978
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妊娠や出産を経験せず,身体的な変化が何も起こらない男性が父親になるには,社会的な動機付けが必要です。その最初のキッカケとして,出産はたいへん貴重な場面です。立ち会い出産はその1つの方法だと思います。しかし,その瞬間だけで父親になれるわけでもありません。その後の継続的な子育てへのかかわりが伴って,徐々に父親になっていくものだと思います。
2年前の夏,長女が生まれました。初めての子どもの出産で,仕事も手に付かずソワソワした毎日を過ごしていました。いよいよ妻が産院に入院という時,僕は出産にいつでも立ち会えるように,妻と一緒に入院しようと思っていました。実際は部屋に空きがなくそれは無理でした。その時は,立ち会い出産を望んでいる人が多いのだと思っていました。ところが,出産時に夫が一緒に入院するというのは,僕のような理由の他に,もう1つ大きな理由があることを知りました。簡単に言うと,「夫が自分の身の回りのコトをなんにもできないから」というものです。とくに2人目の出産時などは深刻なようでした。
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