昨日の患者
親友に娘と夫を託す
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.383
発行日 2019年3月20日
Published Date 2019/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212419
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幼き最愛の娘を残して逝かざるを得ない宿命と悟った時,人はどのように対応するであろうか.悩んだ末に親友にすべてを託し,旅立った患者さんを紹介する.
Tさんは30代前半の乳癌患者であった.骨や肺に転移をきたしたため,化学療法やホルモン療法を行った.そして実母が幼い孫娘を伴いながら付き添い,ご主人も仕事が終わると必ず病室に顔を出した.またTさんの高校生時代からの親友であるKさんも頻繁に訪れ,病室に笑い声さえこぼれた.
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