特集 母乳育児支援の基本のき
母乳育児を阻むもの―阻害因子の研究
別府 祥江
1
,
熊本 桂子
1
,
宮岡 美穂
1
,
小笠原 美喜
1
,
河野 道子
1
,
鯨井 貴與子
1
,
田中 淳子
1
,
西堀 光重
1
,
木村 ひづる
1
,
松崎 政代
2
1三楽病院
2東京大学大学院
pp.503-508
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100124
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はじめに
1989年,WHO/UNICEFが「母乳育児成功のための10カ条(以下,10カ条と省略)」の共同声明を出した。1991年「10カ条」を実践している施設に対して,「Baby Friendly Hospital:赤ちゃんにやさしい病院」として認定し,世界的に母乳育児が推進されている。
日本における母乳育児の割合は,産後1か月時46.2%と低率であり,健やか親子21における政策で母乳栄養推進活動とその実態調査が行なわれている。
当院では,平成12年より,母乳確立に向けて終日母児同室を開始した。平成16年からはBFH取得を目標に,外来・病棟が協力して「10カ条」の実践に取り組み,退院時の母乳割合は86%にまで上昇した。しかし,産後1か月時の母乳割合は増加しているものの,退院時と比較すると未だ低い傾向にある。そこで,母乳確立に影響する要因を明らかにし,今後の支援のあり方を検討したいと考え本研究に取り組んだ。
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