特集 チームで育つ助産のチカラ
チームで実現させた助産外来
田畑 博子
1
,
関田 真由美
1
,
高崎 由佳理
1
,
砥石 和子
1
1杏林大学医学部付属病院総合周産期母子医療センター
pp.111-117
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100042
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はじめに
私たちは,総合周産期母子医療センターの助産・看護理念(表1)をもとに「継続性のあるケア」を目標とし,妊産褥婦・新生児への看護ケアの質の向上に努めてきた。その結果,受け持ち助産師は,外来での保健指導・入院・退院後と継続したケアを行なうことができるまでになっていた。このようななか,外来でのかかわりを保健指導だけではなく,「正常経過の妊産褥婦のケアは助産師で行ないたい」とのスタッフの想いから,2004年4月から助産外来を開設した。しかし,助産外来を導入したものの軌道に乗るまでにはさまざまな課題があり,スタッフ間での戸惑いや不安,疑問もあった。私たちはそれらに対し1つひとつ,セルフマネージングチームを中心に問題の解決を図りながら取り組んでいった。
セルフマネージングチームとは,以下のような特徴を持っている。
①チームメンバーの全員参加で意思決定する。
②アコモデーションプロセス*を大事にする。
③自分たちで決めたことは責任を持つ。
④問題解決過程をチーム全員で共有する。
今回,セルフマネージングチームを中心に助産外来を作り上げていく過程で,チームが自ら目標設定し,自己決定し責任を持ち進めた結果,チーム力が強まり,さらには個人のスキルアップにつながった。ここでは,その変革のプロセスを紹介する。
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