特集 ここまでできる! 外来看護―知恵を絞って成果につなげる
助産師による助産外来の立ち上げ―継続的に質の高いケアを提供するために
高崎 由佳理
1
,
砥石 和子
1
1杏林大学医学部付属病院
pp.984-989
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100542
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はじめに
筆者らは,「病棟」「外来」という枠を超え,ケアの質の向上を目指し,妊産褥婦のいるところに助産師が赴いてケアを実践してきた.さらに,妊娠中からの継続ケアを一歩進めたいという思いと,周産期センターであっても,妊産褥婦のケアは助産師が主体的に行ないたいという思いを抱いていた.
そんな折,2004(平成16)年4月から,産科外来の診察ブースを確保できるという状況が到来した.これは,助産師が外来からかかわる絶好の機会である.そこで,2003(平成15)年9月から,面談の際に,スタッフの助産外来開設に対する思いや考えを確認したところ,スタッフの思いは,「助産外来を開設して正常経過の妊産褥婦のケアは助産師で行ないたい」と一致していた.しかし同時に,周産期センターという特殊性から,正常に経過する妊婦のケアの経験があまりないこと,そのために自分たちのケア能力をどのように向上させていくか,また,同じ助産師が助産外来から病棟まで継続してケアを提供する体制が可能かなど,多くの不安や疑問が表出された.筆者らとスタッフは一丸となって,それらの具体的な不安や疑問の解決を図りながら,助産外来開設に向けて取り組んだ.
本稿では,筆者らがたどった助産外来開設のプロセスを通して,変革の実際を紹介する.
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