特集 産む人を中心にした帝王切開
[対談]産む人を中心にした帝王切開をいかに実現するか?—よりよいチーム医療に向けたヒントと助産師に期待すること
荻田 和秀
1
,
照井 克生
2
,
細田 恭子
,
宮下 絵美
,
金子 聖子
1りんくう総合医療センター産婦人科
2埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科
pp.322-332
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202168
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
帝王切開娩出術による分娩(以下,帝王切開)の割合は病院で27.4%,診療所でも14.7%(厚生労働省,2020)と,年々増加傾向にあります。少なくない女性が帝王切開で出産している一方で,その出産体験は30年前と大差ない場合があると,帝王切開カウンセラー®の細田恭子さんは指摘します。緊急帝王切開などで,分娩方法の変更に納得する機会や時間が十分ではない場合もあれば,帝王切開のプロセスや産後のケアに関する情報が産む本人に届きにくく,手術や麻酔の合併症に苦痛を覚えながらもなすすべがない……そんな経験に,何年も悩み苦しむ女性がいます。「帝王切開でも,産む人を中心に考えてほしい」と細田さんは語ります。
一方で,帝王切開で産む人にもよい出産体験をしてほしいと,実践を続けてきた医師がいます。本稿では,分娩方針を決定し手術を行う産科の立場,そして手術を支え患者の苦痛をケアする麻酔科の立場から,荻田和秀先生と照井克生先生のお2人にお話を伺いました。細田さんと,帝王切開で産む女性のケアに努めてきた助産師を聞き手にお迎えしています。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.