特集 チームで育つ助産のチカラ
チームで育つ助産のチカラ―チーム力は,信頼の風土から
福井 トシ子
1
1杏林大学医学部付属病院
pp.104-110
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100041
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はじめに
現在の医療界にあって,チーム医療という言葉が聞かれない日はない。チーム医療への関心の高さは,文献の数からも伺うことができ,チーム医療は,さまざまな知識と情報のコミュニケーションを中心に据えて論じられている1,2)。しかし一方で,その重要性は十分理解しながら,実現困難なジレンマを抱えている現場の多いことを,多くの文献が教えてくれる。助産の領域にあっては,多職種との連携や,施設間連携でもこのチーム医療の概念は重要であり,必要とされているものである。
筆者は,助産師集団とともにチーム医療を目指しながらも,妊産婦の問題状況の解決に向けて,主体的に取り組めなくなってしまった状況を体験した。そこで,助産師集団の意思決定を自律したものとするために,ソフトシステム方法論3,4)を用いたアクションリサーチを行ない,マネージメント方式としてのセルフマネージングチーム制を創造し,実践した。このことを通して,「チーム」の形成を可能にしたセルフマネージングチーム制の取り組みを紹介しながら,グループとチームの違い,さらにチーム形成に必要な「信頼の風土」について述べたい。
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