活動報告
教育機関の震災の備えと保健師教育の質保証—平成28年熊本地震を振り返って
中村 京子
1
,
戸渡 洋子
1
,
竹熊 千晶
2
,
河瀬 晴夫
3
1熊本保健科学大学保健科学部看護学科公衆衛生看護学
2熊本保健科学大学地域包括連携医療教育研究センター(被災当時;看護学科)
3熊本保健科学大学事務局
pp.770-776
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201509
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はじめに
2016(平成28)年4月の熊本地震から2020年で4年が経つ。その後も日本列島では,地震や台風・集中豪雨など,甚大な被害をもたらす災害が相次いで発生している。
われわれは被災したからこそ,①学生・教職員・地域の人々のいのちをどう守るか,その準備はできているのか,②被災した環境下で,教育内容(講義・演習・実習の場所等)をいかに保証するのかを,この熊本から発信していかねばならないと考えた。
本稿は,平成28年熊本地震で被災した熊本保健科学大学(以下,本学)が「学生・教職員の安全をはかり,教育内容の質をできるだけ落とさずに,学生を修業年限で卒業させる」という方針のもとに対応した日々を振り返り,教育機関が震災に備えることの大切さと保健師教育の質保証について報告するものである。
なお,本タイトルでの「保証」は,その意味する重点が「責任」にあるという点で用いている。
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