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特集 自然災害と作業療法
熊本地震における支援活動
Support activities of 2016 Kumamoto earthquake
内田 正剛
1,2
Seigo Uchida
1,2
1株式会社くますま
2一般社団法人熊本県作業療法士会
pp.206-212
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200855
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Key Questions
Q1:熊本地震の概要と被害状況は?
Q2:支援体制と災害リハの活動とは?
Q3:JRATの撤収後の現状支援と今後の課題とは?
はじめに
大地震の被災地では,ICFでいう「環境因子」の急激な破綻により,「活動」と「参加」を制限し,ひいては「心身機能・構造」に大きな影響を与え,悪循環によって身体および精神的な不健康状態を引き起こしやすい1).生活環境がいかに暮らしに影響を与えるか,与え続けるか? 今回の熊本地震で痛切に実感したことである.
熊本県の災害は台風や大雨が主であり,今回のような大地震はこれまでの災害とはまったく異なるものであった(図1).
筆者自身も2016年(平成28年)4月16日未明の地震の際は,凄まじい揺れに目を覚まし,家族6人で近くの中学校に避難,車中泊や避難所生活,ライフラインが寸断された中での家財道具の片づけ等の復旧作業を経験した.また甚大な被害を受けた益城町から直線距離で約7kmに存在する職場は,地域に根差した在宅サービスを展開している事業所として,激震地にすぐ隣接する地域の支援活動を展開した.ただ本稿では,大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(Japan Rehabilitation Assistance Team:JRAT)の一員として経験した大規模災害時の医療専門職の組織的な支援体制を中心に報告する.特に発災から初期修復期までに経験した他団体との連絡調整や,現場支援からリハ支援のあり方や今後の課題について述べる.
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