連載 「おも★けん!」新任期でもできる!おもしろ健康教育のつくり方・6
その健康教育は役に立ったの?—健康教育の目的・目標,評価の観点
伊藤 純子
1
,
高橋 佐和子
2
,
一般社団法人おもしろ健康教育研究所
1聖隷クリストファー大学看護学部
2神奈川県立保健福祉大学看護学科
pp.778-781
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201510
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あなたは普段の評価に納得していますか?
参加者さんの反応に満足していた小林くんに,長原さんは介入の効果はどの程度あったのだろうかと尋ねます。普段の業務では,おそらく教室の開催場所やPRの方法,参加者数などの企画評価,事後アンケートなどの実施評価をされているかと思います。
保健師の介入においては,その効果,つまりアウトカムがいちばん大切であることは言うまでもありませんが,1回の教室では介入の効果までは測れません。企画評価のためによく行われる,教室直後のアンケートは,顔見知りの参加者さんの忖度もあって,満点に近い数字がよく出ます(包装効果)*1。「これでいいのかなぁ……」と思っていても,数字が高ければ報告書にしたときに見栄えがします。そのため深く掘り下げずに,同じような評価方法を続けたくなりますが,保健師がスキルアップし,活動の質を高めるためには,「その介入に効果はあったのか」と,実践をクリティカル*2に問う姿勢が必要です。
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