特集 震災時における循環器医療を改めて考える
識る 熊本地震から学んだこと
橋本 洋一郎
1
1熊本市立熊本市民病院 神経内科
キーワード:
下腿
,
危険因子
,
災害対策
,
集団検診
,
静脈血栓症
,
弾性ストッキング
,
多部門連携
,
熊本地震
,
保健指導
Keyword:
Intersectoral Collaboration
,
Disaster Planning
,
Mass Screening
,
Leg
,
Risk Factors
,
Venous Thrombosis
,
Stockings, Compression
pp.1130-1136
発行日 2017年12月9日
Published Date 2017/12/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018060333
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2016年4月14日21時26分に前震(震源の深さ11km、マグニチュード6.5、益城町震度7、日奈久断層帯)、16日1時25分に本震(震源の深さ12km、マグニチュード7.3、西原村と益城町で震度7、布田川断層帯)の平成28年(2016年)熊本地震(以後、熊本地震)は、「まさか」の大震災であった。阪神・淡路大震災、中越地震、東日本大震災などの大規模災害時には脳卒中を含む循環器疾患が増加することが報告されている。熊本地震でも発災直後の4月18日に車中泊の51歳女性が肺塞栓症(pulmonary embolism:PE)で急死している。済生会熊本病院では4月17日に6名[massive(広汎型)2名、sub massive(悪広汎型)1名、non massive(非広汎型)3名]、18日に4名[collapse(重症)2名、massive 1名、sub massive 1名]の肺塞栓症が入院している。震災後の循環器疾患の発症予防に向け、熊本県内外の医療機関、関連学会、行政が三位一体で取り組んだ熊本地震血栓塞栓症予防プロジェクト[KumamotoEarthquakes thrombosis and Embolism Protection Project:KEEP project[http://keep2017.umin.jp/keep_project.html]代表(当時):掃本誠治先生]の活動を中心に述べる。
(刊行時の通巻頁数に誤りがありました。本文は修正後の通巻頁数が表示されています。)
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