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はじめに
わが国は超高齢社会を迎えているが,豊岡市(以下,本市)においても高齢者の割合が増加しており,現在,3人に1人が高齢者で,今後もますます増えることが予測されている。高齢者の増加に伴って,寝たきりや病気の方が増えると,本人だけでなく,家族や地域への負担も増える。このような事態をできるだけ防ぎ,高齢者がいつまでも元気で過ごすためには,寝たきりの一因である加齢に伴う筋肉の減少をできるだけ予防する,すなわち高齢者の筋肉を増やす(維持する)方策が必要である。
加えて,地域(コミュニティ)においては,人と人とのつながりが以前のように密ではなく,高齢者の引きこもりや孤立化,認知症の見守り,災害時の対応といった課題もある。そのため,高齢者を含めた地域住民が集い,支えあい,情報を交換できる場づくりも必要である。
そこで本市では,①高齢者の介護予防,②地域の信頼関係や結びつき(ソーシャルキャピタル)を高めることを目的に,2012(平成24)年より,誰でも参加でき,健康で生きがいをもって暮らせる場づくりを支援する「玄さん元気教室」を,熊本大学の都竹茂樹教授(医師)の監修のもと,行政区(住民自治組織,以下,地区)において開始した。なお「玄さん元気教室」という名称は,市民に親近感を持ってもらうため,本市のキャラクターである玄武岩の「玄さん」を使用したもので,チラシやリーフレットにも活用している。
本稿では,その取り組みについて報告する。
兵庫県豊岡市では,歩いて通える区の会館において,誰でもいつからでも参加できる健康づくりの場づくりを支援しています。その教室を「玄さん元気教室」と呼んで実施しており,これまでの取り組みについて紹介します。
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