活動報告
保護者と医療機関の意見を取り入れた「医療支援手帳」作成の試み―大牟田市の知的障害児・者医療支援プロジェクト
野高 朋美
1
1宮崎県立看護大学(前・帝京大学福岡医療技術学部)
pp.68-72
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200607
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大牟田市の概要
大牟田市は福岡県の最南端にあり,福岡市より南に約65km,熊本市から北西に約45kmに位置する(図1)。2015(平成27)年7月「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されたが,その構成資産に当市の三池炭鉱関連施設が含まれており,かつて日本の近代工業化に貢献した歴史がある。
しかし石炭から石油へのエネルギー転換後,町は衰退し,人口減少や高齢化が進んでいる。2015年4月における大牟田市の人口1)は12万211人[最大人口は1959(昭和34)年の20万8887人],高齢化率は33.4%と非常に高い。そこで,市では高齢者対策に力を入れており,認知症高齢者を地域で支える「大牟田方式」と名づけられた取り組みは,先駆的なものとして全国に発信されている。また,障害者数についても年々増加傾向にあり(図2),大牟田市障害者計画の基本理念である「一人ひとりが尊重され,ともに参加しともに暮らせるまち―ノーマライゼーション社会の実現」にもとづいた取り組みがなされている。
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