研究・報告
大牟田市の大気汚染と疾病
小柳 秀子
1
1大牟田市国保課
pp.134-137
発行日 1966年2月10日
Published Date 1966/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203587
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はじめに
福岡県の最南端に位する大牟田市は人口20万3千人,石炭のコンビナート工業地帯として発展しているこの工場群をひかえ,とうぜんおこる大気汚染が人体におよぼす影響について,調査研究の必要性を痛感していた.大牟田市では,すでに昭和29年より大気汚染について調査がつづけられ一応の結果がでているので,大牟田地区を高度汚染地区,中度汚染地区,軽度汚染地区,非汚染地区に分け,大気汚染と関係があると考えられる疾病を特殊疾病,その他の疾病を一般疾病として,各地区の罹患状況を,大牟田市国民健康保険診療報酬請求明細書を基盤として,36年5月分約1万2千件を対象に調査したので報告する.
第1表は入院,外来別に全国との比を調査した.このうち煤煙に関係があるとみられる疾病は,
1.伝染病および寄生虫病で入院,外来ともに件数は全国率を上回わっている.大牟田市の場合84%は結核である.
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