研究
都市部地域在住の壮年期住民における抑うつの実態と関連要因の検討
遠宮 菜都香
1
,
田髙 悦子
1
,
有本 梓
1
,
大河内 彩子
1
,
伊藤 絵梨子
1
,
白谷 佳恵
1
1横浜市立大学大学院医学研究科地域看護学分野
pp.576-582
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200480
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■要旨
本研究の目的は,都市部地域在住の壮年期住民における抑うつの実態と関連要因を明らかにし,今後の地域における抑うつ予防に向けた支援のあり方を検討することである。40〜64歳の都市部地域の住民のうち,年齢層化無作為抽出された3000人を対象として,抑うつ(CES-D:The Center for Epidemiologic Studies Depression Scale),ストレスの有無と種類,生活習慣,主観的健康感,身体的不健康感等に関する横断的調査を行った。無記名自記式質問紙を郵送し,返送を以て同意を表明した者のうち,抑うつ(CES-D)の回答に欠損のない518名を対象とした。
分析の結果,対象の平均年齢は56.7±7.0歳,性別は「女性」60.7%であった。重回帰分析の結果,CES-Dに統計学的に有意な関連が認められたのは,暮らし向き(p<0.001),住みやすさ(p<0.01),動悸(p<0.01),疲れやすさ(p<0.001),人間関係ストレス(p<0.001),仕事ストレス(p<0.05),健康問題ストレス(p<0.05),経済問題ストレス(p<0.01),家庭問題ストレス(p<0.01)であった。これらのことから,今後の地域における抑うつ予防に向けては,壮年期特有のストレスや身体的不健康感の軽減とともに,地域における住みやすさを糸口とした支援の重要性が示唆された。
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