特別記事
地域・コミュニティレベルにおける高齢者の社会的孤立予防に向けた見守り活動—実証的研究と先駆的実践からの示唆
田髙 悦子
1
,
白谷 佳恵
1
,
伊藤 絵梨子
1
,
大河内 彩子
1
,
有本 梓
1
,
河野 あゆみ
2
,
金谷 志子
2
1横浜市立大学大学院医学研究科地域看護学分野
2大阪市立大学大学院看護学研究科在宅看護学分野
pp.836-844
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200789
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はじめに
■社会的孤立予防の先行研究レビュー
高齢者を社会的孤立に向かわせないためには誰が何をどうするべきなのか。表1は,地域高齢者の社会的孤立・孤独(以下,社会的孤立)の予防・緩和(以下,予防)をアウトカムとする実証的研究のレビュー論文である。
いずれもレビューが行われた時点での論文の質,量の不足を指摘しつつ,Cattan1)は,介入形態に着眼し,①one-to-one(個別支援),②group(グループ支援),③service provision(サービス提供)等に類型化の上,グループ支援の有効性を示唆している。同様にFindlay2)は,①個別支援,②グループ支援,③サービス提供,④インターネットに類型化し,いずれも条件付きで有効性を示唆している。またDickens3)は,①個別支援,②グループ支援,③個別・グループの混合支援,④サービス提供に類型化し,有効な介入の要件として,①理論に基づいていること,②グループによること,③プロダクティブな活動を含んでいることを指摘している。
さらにGardiner4)は,介入技術について,①社会性支援,②心理(精神)療法,③ヘルスケアサービス,④動物介在療法,⑤ビフレンディング(支え合い),⑥余暇活動支援等に類型化し,有効な介入の要件として,①地域特性に適していること,②地域参加・地域づくりを志向していること,③プロダクティブな活動を含んでいることを指摘している。Chen YR5)は,ICT(電子メール,SNS等)を取り入れた介入形態に焦点化し,一定の有効性を示唆している。
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