調査報告
市町窓口職員の自殺予防意識調査
山本 千佳
1
,
宮脇 直子
1
,
春藤 由里子
1
,
松本 圭司
2
,
富永 真己
3
1兵庫県伊丹健康福祉事務所
2兵庫県芦屋健康福祉事務所
3京都橘大学看護学部
pp.52-58
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200354
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1998(平成10)年から2011(平成23)年まで毎年3万人以上が続いていた国内の自殺者数は,2012(平成24)年に3万人を割ったものの,依然高めで推移している。その要因の1つとして,うつ病などのメンタルヘルス不全が疑われる者1)(以下,メンタル不全者)の増加があげられ,地域における自殺予防対策の一環として,うつ病の予防対策の普及は急務の課題と言える。この現状を受け,各自治体ではメンタル不全者に対する取り組みが展開されている。なかでもゲートキーパーの養成は注目すべき取り組みと言える。
自殺予防におけるゲートキーパーとは,地域で自殺の危機にある人への初期介入を行い,自殺を未然に防ぐ人のことをさす2)。また,ゲートキーパーの訓練プログラムにより研修を受講した者の介入で,抑うつ症状や自殺リスクを有する人の精神保健サービスの利用率が向上したと報告されている3)。日本国内ではうつ病等の気分障害の総患者数が,1996(平成8)年から2011年に1.7倍に増加したと報告される状況から4),自殺予防やうつ病予防におけるゲートキーパーの活躍が,今後さらに望まれる。
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